昔からあるラーメン屋さんの隣に味も接客も店構えも似ている新店をつくればお客さんは半分来ます。むしろ、内装が昔からある
ラーメン屋さんより清潔でプラスポイントになっていれば、半分以上がファンになってもらうこともできます。

日本やアメリカは 0 から 1 を生み出すことや他人と違って自分独自の考え方や個性的であることを良しとし、他人のアイディアややり方をパクるのはよくないという文化があります。

逆に中国にはパクりを良しとする文化があります。中国のパクり精神は著名な文学者「魯迅」の考え方を反映したもので、

「立ち遅れた中国の文化や技術を前進させるには、すでに存在する海外の優れた文化や
技術を取り入れた方が早い」

というものです。

この思想が発表されたのが1934 年のことなので、まだアヘン戦争が 終わって 20 年くらいしか経っていませんでした。植民地政策のため中国の国力は 衰退していて、0 から 1 を生み出すには力がなく、これを取り戻すには海外の優れたものを模倣してでも取り入れるべきだと考えたことが始まりだったそうです。

結果はご存知の通り、現在 中国はアメリカを凌ぐ勢いで経済成長をとげ世界の脅威になっています。すばらしい成果が得られた思想のため今でもパクりに悪い印象がないのです。

もし、あなたがビジネスという土俵に立ったことがない、もしくは未だ成功体験をしていないということであれば、自己過信せず、この中国の考えに従った方が成功する確率があがります。

ビジネスで成功するために我々が考えるべきはお客様の満足であって、新しいものを提供するということではないということを意識してください。

もちろん今までになかったサービスやモノを開発できてそれがお客様の役に立つものであれば稼ぐことはできます。ただし、稼げる確率はかなり低いということです。

お客様の満足を考えるために、ビジネスの世界で行動を起こす際は「相手の要求」と「自分の要求」をはっきりと区分けして考えることが大切です。

「相手の要求」とは「何をすればお客様に認められてお金を出してもらえるか?」で「自分の要求」とは「私はこんなふうに仕事をしてみたい」という考えです。

だからといって「自分の要求」から入って全く稼げないかというとそうでもありません。

僕の事例で言えば大学卒業後バンドで稼ごうと思ってがんばっていて、かなりつらかったのですが全く稼げなかったといわれるとそうではなかったです。

また、バンドが終わった後はWEB ディレクターという職業に就いたのですが、これも年収は平均よりちょいいいくらいで、稼げないということではないのです。

「効率的に稼げていない」という状態です。
箇条書きで並べてみましょう。

・バンド
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【自分の要求 8:相手の要求 2】
期間:5年活動
成果:1イベントで 60万円売上 CD70万円売上
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・WEB デザイン
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【自分の要求 5:相手の要求 5】
期間:4 年勤務
成果:年収 430 万円
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・デリヘル
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【自分の要求 2:相手の要求 8】
期間:6ヶ月
成果:売上 3000万円/利益 1000万円
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こうしてみるとわかりやすいですね。

「稼ぐ」という観点でみると行動した期間に対するリターンがまるで違います。

「自分の要求」で始めることが全く稼げないわけではなくて、「自分の要求」が強ければ強いほど、「効率よく稼げない」ということです。

高級デリヘルというビジネスの「相手の要求」は

「日頃出会うことのできない最高の女性と最高の一夜を過ごしたい」

という要求を叶えることなので、どうしたら女性を集めることができるか、また、セッティングすることができるかを常に考えることが核心になります。そのためには既存店を真似するということが悪いことではないことがわかりますよね。

お客様にとって、真似をするかしないかはそんなに重要ではなく、最高の女性を届けてくれるかどうかが重要なのです。

ここを理解してお店作りを始められるかが
成功できるかできないかのはじめの分岐点になります。他店リサーチの方法や注意点については開業編で細かくお伝えいたします。